ちょっと過去のお友達へのメールレター   
札幌で最初の冬、最初の庭造りの1999年東京近郊、海外の友人に送った不定期メールレターです。
庭造り、れな一家の話も書かれています。
 

題名:自衛隊発動中

1999年1月12日

1999年初の近況メールです。皆様今年もよろしくお願いします。

ゆうべだけの積雪で、今朝は汗だく、シャワーを二回浴びるぐらい雪はねしま
した。スポーツジムに行く必要など無いぐらいすごい運動量ですね。マイナス
温度の中で、湯気が立つほど力のいる仕事です。きのうから合わせると80セン
チは積もったでしょうか。夕刻にはねたのに、今朝は戸を開けたら雪がなだれ
込む勢い、窓の高さまで雪がきており、ガラスが割れないようあわてて雪をよ
けました。東京の雪と違い、さらさらで雪だるまができない雪なのでまず、平
スコップで思いっきり叩き、(ストレス解消になる?!)縮めたところでママ
サンダンプでがっぽり取り除くという作業ですが、うちのまわりはたくさんた
くさん雪が溜まるので雪の海のなかをずぶずぶとさまよいながらの作業です。
やはりだんなの方が効率よくやってるみたい。もすこししたら上手になるか
な。

大通り公園では、ものものしく自衛隊が雪祭りの準備を始めました。大量の雪
を自衛隊のトラックで次々と運んでは、やぐらを組んでベニヤで囲った高さ
7-8メートルのハコに雪の立方体を作り、やがてそれを切り出すわけなのです
が、大きなブルドーザーが大量の雪を踏み固めるために、がーっと雪山を登っ
ていくのは壮観です。作っていく課程が一番見もので、雪祭り最中より直前が
一番汚れてなくていきれいなんだそうです。私もこれが初めてなので、バイト
の帰りに途中経過をしっかり見ようと思っています。

マイナスの気温にすっかり慣れてしまい、0度ぐらいだと生暖かいと感じる今
日このごろです。晩酌をしない家庭なのですが、週末夫婦で雪はねをしたあと
なんか、飲みやすいブロイのロング缶など飲むようになりました。スキー場で
飲むビールの旨さを自宅で。。。。

では、激動の1999年みなさんも無事に過ごせることを祈ってます。これだけ冬
場がんばってるんだから、ノストラさんが何と言おうと予言の7月頃はきっと
野菜を収穫していたい佐絵でした。



題名:豪雪をあとに東京へ

1999年1月28日

寒い日が続きますがお元気ですか。今日突然、来週東京出張が決まりました。
2月1-3日まで新宿泊です。とはいえ、同じ日程でうちのだんなも福岡出張で、
雪のなかの我が家が無人になるのは大変心配です。

きのうからの大雪はTVで報道されているよりすごくて、今日3回も雪はねし
ましたが、2時間もしない間にもうひざぐらいまでになってしまっています。
激しい雪がとめどなく降り続くというのには感服・感動です。おや、キレイな
青空が見えた、とその直後になぐり雪です。ふかふかなので気象庁の発表より
深いのだと思います。それにうちは吹き溜まる場所なのさ。

よくしてくれた外人ボスが日本を去るので、私の仕事もどうなることやらと思
いましたが、とりあえず抱えている仕事もたくさんあるので秋頃の契約更新ま
では、働かせてもらえそうです。また、新しく動きはじめなくてはいけない
Phaseに入ったかな、と思っている所です。(3年弱の周期で新しいことをして
いる、とこの頃気づいてきました。)

今年はまだ、スキーに行っていないのですけれど、こんなに雪があるから、と
たかをくくっています。4月にも滑れるもんね。大通公園の雪祭り(2/5-11今
年で第50回です。)の準備は着々と進んでいます。雪像作りは面白そうで、フ
ランス大聖堂のビーナス風のパーツをつくってる自衛隊員がうらやましい、と
思っちゃいますが、ずっと外は寒いだろうとは思います。雪をいじってると寒
さは忘れますけれどね。(私だけかなあ)

先日Kitaraという大ホールでオペラ歌手(バーブラ・ヘンドリックス)の歌う
Jazzのコンサートに行きました。感涙ものでした。札幌はなかなかどうして、
ビッグな、あるいはすごくいいアーチストが来ます。クラシックもポピュラー
も結構すごいです。何故チケットがまだあるのか、不思議、しかも安いという
ことも多々あり、地方都市の良さ満喫です。ホール自体も、出来たばかりの音
響的にも素晴らしいホールでどこに座っても音質にあまり差を感じない、=安
いチケットから売れる、というホールで、広々とした公園の中にあります。な
のにすすきののすぐ隣りです。

などなどすっかり札幌びいきで東京に未練が無い私ですが、来週は副都心にお
ります。生活のためには仕事はしないとね。。。
それでは!
 



題名:レイチェル・カーソン

1999年2月9日

お元気でしたか?先日NHKでレイチェル・カーソンに関する番組がありまし
た。センス・オブ・ワンダーを翻訳された上遠恵子さんともう一人若い女流作
家がレポーターでレイチェルの足跡をたどるというものでした。
ダイオキシンやら環境汚染物質やら、彼女の著書「沈黙の春」に警告としてつ
づられていたことが現実になり、人々の目に露呈されるようになってきた証と
もいえますね。番組になるというのは。

今、「沈黙の春」の翻訳版を読んでいますが、かなり内容が濃く、しかもかな
り科学者的な論理的な書きかたなので、英語で読む方が頭に入るかもしれませ
ん。英語版も図書館で借りたのですがいっそのこと買おうかなと思っていま
す。

この著書の科学者的アプローチよりも、「センス・オブ・ワンダー」でのレイ
チェルの方がより生命へのいとおしさが溢れており、優れた文学作品、後世に
残したい名文といえると思います。いずれ「沈黙の春」とは出会うことだった
ろうとは思いますが、「センス・オブ・ワンダー」から先に出会えてよかっ
た、と思っています。これはひとえにYさんのおかげ、ありがとう。

それと、先日たまたまレイチェル・カーソン協会(設立10周年)が主催で読書
感想文やら、エッセイを募集していたので、原稿用紙5枚で書きました。

こう書くとハマってるみたいですが、いえいえ、いろんなものを読み散らかし
ています。でも私の思っていることの根底は、「センス・オブ・ワンダー」に
凝縮されているなあ、ということには変りません。

東京に出張したら風邪ひいてしまいまして、ごほごほしてます。ちょっと元気
がないので雪はねも少しやすんでいます。そちらの乾燥した冷気は体にわる
い!気を付けてください!
 



題名:春が見えた?

1999年2月19日

東京出張でひいた風邪がようやく良くなってきて心身ともに調子がでてきたな
と自分でも思っている矢先の今日は雪は舞っていたけれど、春めいた1日で日
中は0度より高くなりました。雪が少し溶けて、道路が見えてるところもあり
ました。先週あたりから通信販売の、花木のカタログを見て「うふふふ。」と
ガーデン設計を頭の中に描いては自己満足しているのでした。

雪との戯れも、このあとは背丈ほどの高さになった庭のゲレンデを崩して空き
地に捨てる、という冬も折り返しの作業になっていきます。自分ちの庭に雪像
でも造ってやるか、という野心もあったのですが風邪をひいたりバイトを週2
回にしてたり、出張、獣医学会などけっこう忙しかったので結局そこまではし
ませんでした。スキーに行っている余裕も無くて、3月に行くかなあと思った
りしています。

もうひとつ、うきうきすることがあって、とうとう電子ピアノを買いました。
KORGのC-700というやつ(NさんYamahaでなくてごめんなさい!クラビノー
バもRolandも検討した上で、半年以上比較検討して決めました。)で、機能、
値段、キータッチが気に入って、部屋をきちんとすることを約束に、買うこと
を許してもらってから3ヶ月目にしてやっと昨日設置しました。

今の電子ピアノというやつはすごくて、昔(バンドやってた10年ぐらい前)だっ
たら、シンセとドラムマシンと、ミキサーが無ければできなかったことが、一
台でできてしまいます。マイクをつなぐとエコーかけられて弾き語りも立派に
フロッピーにSaveできるし、コレ一台で、昔バイトしてがんばって買ったシン
セ+ドラムマシンより安いんですよね。物価も上がってるのに。技術の進歩っ
てやつは!と思う傍ら、Userfriendlyになっているのには助かります。使いや
すいので触って一時間もしないうちに、5トラックの小曲を作ってしまいまし
た。ギターが弾けたら。。。とあこがれていたけれど、ギターも鍵盤でやれて
しまいます。メトロノームがリズム感の無さもカバーしてくれます。

そんなに理想は高くなく、でもやりたいことがたくさんあるというのは幸せで
す。私は、長らく封印していた楽しみが一気に手の中に入ってくる喜びでむせ
かえりそうです。在宅の仕事も夜中までやってたり、突発的に緊急対応しなく
ちゃならなかったり結構忙しいのですが、通勤時間なし、無駄が最小限の勤労
パターンなので、余白の時間を、無定型に作れるというのが良いです。東京の
超多忙生活で家事のコツ(手抜き方法?)も覚えてきてるから、楽チンです。凝
りたければ愛しのオーブンもあるし。

自分を客観的に見ていても、近所に友人も身寄りも居ないのになんだか幸せ
いっぱいでへんなの、と思うのですがこれが私の人間性なのかなあと思ってい
ます。最近バイト先で出している薬のこともあり精神医学の本なども読んでい
るので、時折自分を観察する癖がついたようです。

たくさん書いてしまいました。東京も今週は春めくそうですね。風邪の次は花
粉症にご注意ください。それではまた!
 
 



題名:ひなあられ雪

1999年3月2日

皆様お元気ですか。
明日はひなまつりですが、こちらは湿った雪が降っています。それでも日中の
気温が0度以上の日が続くようになり、唯一土がのぞいた玄関口に雑草の小さ
い芽が出ており、小さな春の気配が感じられます。

微妙な春の訪れを楽しもうとしているのに、またまた東京出張に行きます。3
月9ー11日と期間が短い分、バタバタするのが目に見えていて早く帰ってきたい
よ〜と今から思っています。ちっとも楽しみじゃないのが自分でも不思議で
す。

外人ボスが去って、かつての日本人上司に変わり、またがしゃがしゃした働き
方になってこないように、自分で気を付けています。期待に応えるのは好きで
すが、東京での生活が「なにか違う」と思ったのもそもそも仕事への取り組み
が大きなネックだったのだ、と今は思うので、自分の生活を守る方に心血注い
でいかなければと思います。

まだ、家のまわりは芽吹きも花も見えない白い雪の世界ですが、空気がぬるん
できて、鳥が機嫌良く鳴くようになってきました。やがて雪が解けると、包み
隠していたゴミやなんかが露出したり、溶けた泥水で道がぐしゃぐしゃになっ
たりして、必ずしも美しくはないのですが、雪が消えたあとの夏へのダッシュ
が素晴らしいエネルギーなのでそれが楽しみです。

先月東京から風邪をもってきて、まだ咳がでてるので、悪い病気がうつらない
うちにさっさと帰ってこようと思っています。とはいえ、宿泊は新宿ワシント
ンホテルです。何かあればご連絡くださいね。
 



題名:雪解けの音

1999年3月18日

ようやく春のたよりが書けます。
とはいえ、周囲はまだまだ雪ですが、気温が高い(5度以上)の日が続いている
ので、ものすごい勢いで雪が解けています。近隣の家々ではどしゃぶりの雨が
ながれ落ちるような、ばたばたという雪解け水の滴り落ちる音が日中ずうっと
しています。

気のせいではなく、確実に札幌市民は春を感じて「ハイ」になってきているの
が街に出るとわかります。寒さに顔をしかめることがない、というのが生理学
的な事実としても、人々の「勢い」が違うのです。鳥の鳴き声も違います。

私自身もかなり土を見るのが待ち遠しくて、あちこち雪をほったくっては、早
く解けるように、と工夫しています。最近実験して、面白かったのはコーヒー
殻を融雪剤がわりにつかうと結構早く解けるということです。雪面をいくつか
に区切り、何もしないスペースのとなりに、コーヒー殻を密度を変えて敷き詰
めます。すると一時間後には、何もしないところとの解ける速度差が大きく
(2-3センチも!)出るのです。要は黒っぽい色が太陽熱を反射せずに、吸収し
解けるわけですが、一冬ためたコーヒー殻を撒いても足りません。コーヒーの
匂いをさせつつ雪をとかすのって結構よいでしょ。

具体的に庭の設計を始めなくてはなりませんが、あまりお金をかけずに、食べ
れるものも植えて、と日当りなんかを考慮しながらするとなると結構プロジェ
クトとしてはまとまったものになります。ぼちぼちプランターに種蒔きをして
草花の苗を室内でつくるか、とか考えています。

広い道路は雪がなくなってきましたが、もすこしアスファルトが出て来たら、
自転車であちこちまた出歩けるので植物の苗を安価で手に入れる方法も模索し
ようと思っています。

庭に背丈ぐらいの高さに積み上がった雪山から、近くの三角山がきれいに見え
ていたのですが、この景色ともそろそろお別れです。二階建てにすれば(うち
は平屋です。)かなり景色がいいことがわかっただけでも収穫でしょうか。

また今月も東京へ行ったのに、仕事だけして帰って来ました。私にとってもは
や東京はビジネスの場所でしかありません。次はもすこしプライベートな時間
がとれるようにしたいなあというところ。次回は6月かなあ。

東京以南の方々は、もう梅の香を嗅ぎましたね。北海道では梅と桜はいっしょ
か、梅の方があとのことさえあるんです。(開花のきっかけである気温への反
応のせい)ではまた。
 



題名:4月になりました!

1999年4月14日

ぼちぼち庭の土が見え出し、雪の下からチューリップ?クロッカス?らしき芽
がたくさん出て来ています。去年の今ごろ亡くなった前の住人のおじいちゃん
が大切に育てていたものです。
桜はまだまだ先(GW頃)の札幌です。佐絵
 



題名:長持ち春

1999年5月19日

御無沙汰しています。久しぶりなので長くなってしまうかも。

日照が少々不足している北海道の春は、庭のチューリップが咲き始めから3週
間以上も鑑賞できるという、長持ち春です。開いてしまわないでいつまでも咲
いています。

そのチューリップの数は驚異的でした。今盛りの真っ赤なチューリップはゆう
に100本以上あります。このあと小ぶりな黄色同数程度と赤黄のマーブルが若
干本咲きそうです。水仙も今になってやっと次々咲いています。先住のおじい
さんがいかにこの庭を(しかもかなり無秩序にあちこちに植わっている)花だ
らけにしていたか、草花一本ずつ見ても感慨深いものがあります。

隣近所によると、「ダリアがきれいだった」「コスモスをきれいに咲かせてい
た」などなどまだ見ぬミステリー部分があり、土に隠されたこの庭の歴史が小
さな草の芽によって明かされるのは実に面白いです。桔梗の芽があちこちに出
ているし、ダリアの芽もかなりたくさん発見しました。追加して園芸店で私が
購入した花は非常に少しですが、先日山野に「花狩り」に行き、山野草も採っ
てきたので、もう今は40種以上の植物があります。

おじいさんは赤・濃ピンク系統の色ばかり好きだったようなので、紫や青、白
系の花を少しだけ買い入れ、赤系色が集中している部分を移植、構成を考えて
植え替えし、手を入れています。

草花をいじれるようになったこの頃は、楽しさが労力に勝っていますが、雪解
け後の土方作業は、しんどいものでした。球根類の芽が1ー2センチしか出てい
ない、今後何が出てくるかわからない時期に、玄関までのアプローチ通路の位
置を決め、水はけよくするために砂を敷き平らにし、高低陥没のある庭一面を
整備し、がれき石や砂利を取り除き、花壇の囲いとして川石を敷き詰め、その
石も近所の河原を自転車で往復して運んで、などなど他人からみたら物好きと
いうしかないような連日の作業でした。それも一度きりと思えばこそですが。
あと最大のポイントはほとんどお金をかけていないことです。もともとあった
もの(道具も草花も)を生かせるだけ生かしたり、留萌の義母さんに分けても
らったりしています。

昨年の夏、一面背よりも高く雑草の生い茂った荒れ果てたこの庭を知っている
人(比べて感心してくれる!)が限られているのは残念なこと。今はすっかり
わたしの「ユウトピア」です。

GWに足腰の悪い先住のおばあちゃまが車のなかからだけ、ここを眺めて行か
れました。おじいさんの1周忌の法事で引き取られた先の娘さん一家と市内に来た
ので、寄ってみたそうでした。今は亡きおじいさんは、家から出られなかった
おばあちゃんのために庭でつくったいろいろな花を室内に生けていたそうで
す。

日曜日に、こちらで結成した「遊山くらぶ」という山歩きの会 第一回の野歩
きがあり(今年は雪が多かったので半月延期ののちやっと)、カタクリとエゾ
エンゴサク、ニリンソウが一面混在して乱れ咲く、知る人ぞ知る穴場に連れ
てってもらいました。エゾエンゴサクは夢見るような水色の美しい花で本州に
はありません。カタクリはご存知のようにうす紫、ニリンソウは白い可憐な花
です。

今回野歩きのテーマがいちおう「山菜採り」ということもあり、アイヌネギ、
アズキナ、シャク、ヤチブキ(エゾノリュウキンカ)そしてカタクリなどなど
たくさんの食べられる草をとるのですが、花を愛でるのが本業の私はその山中
の花畑に踏み込み、摘み取ることが最初抵抗がありほとんど採りませんでし
た。が、次のスポットと移動を重ねるに従い、あまりにたくさん茂り、咲いて
いる野草を見ていたらそれらの味も知ってみたくなり一通り食することにしま
した。どれも想像していたえぐみや苦みの無い、早春の味わいでおいしかった
です。(うまく表現できない。アズキナは中でも特に甘くて美味。カタクリは
花ごとおつゆに入れるととても風雅な一品になります。)

一言では語れない懐の深さを感じる北海道の自然です。林の中で風に揺れるた
くさんの花の中に立つことができ、ほんとうに幸せを感じるひとときでした。
それらの山野草のミニガーデンを我が家の庭につくりました。山まで行かなく
ても、15種類ぐらいの野草が見られます。

楽しいことばかりをおたよりできるといいのですが、身辺は上記の「花時間」
以外は結構しんどい毎日です。外人のボスだったときに戻りたい!ようなこの
頃の忙しさ(物理的忙しさともに精神的にも)で、とうとう札幌ではかかって
いなかった胃腸科に行ってしまいました。薬局のバイトも週2日入ることに
なったので、在宅の仕事の過量を何とかしなくては体が持ちません。それ以外
に6月は東京出張(6月6日〜10日)、出張から帰ってすぐ外国からの客の接待
などなど、時間を切り売りする商売もなかなか大変です。通勤のストレスが無
いのは良いですが、家のことも含めて「仕事の種類」が圧倒的に増えたので結
局時間が足りない!(やりたいことが多すぎるというハナシもある。。。)

ロンドンに行きたかったのですが、同行予定の友人には大変申し訳ない(本当
にすみません)ことをしたけれどキャンセルせざるを得なくなり、次の機会を
期待するしかありません。

世の中は景気も回復せずあまりいいニュースもありませんが、仕事の合間に庭
を眺めては、ぼーっと頭を休めています。混んでる電車の中で頭を休めるより
はいいかな、と思ったり。手付かずの野菜畑(予定:未着手)の裏庭が緑にあ
ふれるのはもっとお日様が照ってくれなければ。今日は雨ときどき曇りで昼間
の気温は13度ぐらいです。

もう結構東京方面は暑くなってきているそうで、皆様もご自愛ください。



題名:むらさきの庭

1999年7月19日

皆さんお元気でしたか?
7月に入り札幌はいよいよ良い季節です。私は多湿に弱く、東京暮らしの頃は梅雨時期に
多少の鬱傾向があったのですが、こちらではこの時期快適そのもので、逆に苦
手の季節が無いことで躁になりそうです。先日東京出張の時は、雨が降らない週でラッ
キーでした。

(庭のはなし)
春先の赤いチューリップに溢れた庭、その後の黄色いチューリップ、燈色つつ
じの庭から転じて、いま我が家の庭は紫だらけになっています。元からこの庭
にあったムラサキツユクサを整理し縦に一列に植えたものがよく育ち、咲きそ
ろったのが(比較的地味な花なんだけど並ぶと結構迫力)朝方は目に染みるム
ラサキトーンです。そのほか、オダマキ、ラカンパニューラ、名前はわからな
いけれどラッパ状の紫花が冠状に咲く花などなど偶然ですがトーンを違えたむ
らさき色の庭になっています。その外にブルーサルビアその他紫青系小花があ
り、長く咲き続けているマーガレットの白が点在して紫だらけを和らげている
感じです。これに今つぼみが沢山出ている紫のアイリス(長らく葉だけ伸びて
いて謎だった)が咲きそろったらすごいことになりそう。。。クレマチスも白
はあるので紫も欲しいと思っているし、6-7月の庭のテーマはもうムラサキに
決まりです。

このあと夏の庭として、ヒマワリ、アサガオ、ホウセンカ、バラ、アスチルベ、コスモ
スが育ちつつありそのあと桔梗、洋菊、秋菊となる予定。そうそうラベンダーも設置し
なくては。まだまだやることだらけです。

気温が日中は25度以上になる日もやっと多くなり、東側の畑もそれらしくなっ
てきました。ラディッシュ、ジャガイモ、インゲンマメ(2種)、パセリ、ニ
ラ、変種ナス4株、カラー(青と茶)コーン、ピーマン、青赤ジソの他、今週
末はトマトとキュウリの苗をもらう予定。アスパラの幼苗も育てています。台
所正面の窓から畑が見るのが念願でしたので一雨ごとに楽しみです。だんなの
嫌いなダンゴムシがよく発生する家のわきにミント類を1列に植えているので
すが強い草だし北の気候が合うのでしょう。とてもよく成長し、ハーブ風呂に
でもして大判振る舞いして使っていかないとどんどん育ちます。ハーブはそれ
以外にも、もらったりしてタイム、スイートマジョラム、オレガノ、セージ、
レモンバームなどなど色々あります。それらを統合してちょっと見栄えのする
ハーブガーデンをつくりたいのですが、今年は無理かな。EM菌を使った堆肥づ
くりもやっています。採った雑草だけで堆肥の材料は十分すぎるぐらいです。

庭の管理だけでもかなりな労働量(でも飽きないし楽しい!)で24時間では足り
ない(いちおう2種類以上の定職をもっているので、家事と合わせて。)感じ
です。札幌に2年目、冬1回越してやっと、これは季節に応じて完璧にメリハリ
を付けなければ有意義な時間消費ができない!とわかってきました。今年は夏
山にも登ります。体も鍛えています。

(ネコのはなし)
庭のハナシに付随するような話題ではありますが、うちの庭を通り道にしてい
る猫たちが仔猫を産んで今子育ての真っ最中です。なぜか花壇や畑に入らず、
ヒトの通り道や庭のはじをきちんと通り、糞尿もしないので出入りを許して
(というかコントロール不能)いるのですが、彼女たちはレッキとしたノラなの
で媚びは売りません。1匹は後肢がすこし曲がっている中ぐらいサイズの雌猫
でお世辞にも器量がいいとはいえません、もう1匹はちょっと可愛い顔(でも
性格はおバカなの)しているまだ子供っぽい雌猫。どちらが何匹づつ産んだの
か、今いる仔猫は5匹。まだ片手に乗る大きさです。冬に隣家の使っていない軒下
ガレージをねぐらにしていたのですが仔猫を産んだあと先日追い出されました。それ
から一家の放浪の旅が始まり、一度はうちの縁の下にも入り込もうとしたので
すが、私とだんながあまりに観察凝視するのでやめたようです。今はうちの庭
正面の白樺の木の裏にあるこれまた違う隣家の使っていない古い物置に潜んで
いる模様。

ノラはノラなりにポリシーがあるらしくヒトには慣れようとしないし、母は母
なりに子を守りたく、近寄ると「シャーシャー」と歯をむき出して警戒警告で
す。でも2匹とも子育てが不慣れで(特に若い方の猫はヤンママそのもの。。。)見
ていられません。2m以上の壁から仔猫をくわえてジャンプしようとするのです
が、親も体が小さいので仔猫を上手にぶらさげられず、仔猫もろともふぎゃっ
と落ちたり、活発な子がひとりで迷ってミイミイ泣いていたり、連日コネコの
鳴き声でPCに向かう手が止まり、私があたふたして様子を見に出てしまいま
す。迷った仔猫を何度も親の方へ運んでやったりしている間、ほんの少しです
が彼女たちとの距離が縮まってきっているかな?

親子ともやせているので過保護にしない範囲で、古くなった干し魚やパンの耳
を牛乳に浸して庭の角に置いています。7匹が丸くなって白樺の根元で夕寝し
ているのを玄関から眺めて、やれやれと仕事を再開します。この頃は薬局から
戻ると親猫が玄関の前にチョコンと座って待っていることもあります。

父親は一体だれなのか。最初は2匹の親が両方雌であることもわからず夫婦か
と思っていたし、この1家以外にも顔も体も大柄な白黒の猫も通るのでコイツ
か?と思っていたのですが仔猫の柄をみると違うようで、でも2匹はコイツに
挨拶をしています。ボスなのかな。1回だけ、2匹と似た鯖縞と白の精悍な若猫
が来ていたのでもしや、と思ったり、でも兄弟かもしれないし、「人間関係」
ならぬ「ネコ関係」がよくわかりません。

というわけで、庭をめぐる話題は尽きませんが、植物も動物も時間をかけて眺
めているといろいろなことがあり、書いたら長くなってしまいました。
たまにはヒトについて、薬局の仕事の話題でも(精神科薬出しているし、この
頃興味を持っている心療内科がらみ)と思っていたのですが今回はやめておき
ます。

それでは皆様、季節の変わり目ご自愛ください。暑い夏は札幌へ避暑にいかが
ですか?今、飛行機も片道\16000ですから是非!


題名:夏庭だより

(つづく)