ひとコマの花々北海道の大自然 


 私が仲間に入れていただいている、「雁喰 遊山くらぶ」は野山で自然とたわむれることを楽しむ10人以下の少人数の会で、
夏山の一泊登山がハイライト、山菜採り、タケノコ狩り、キノコ採り、リース・クラフト作りなど、無理のないペースで活動しています。野山を歩いて、私にとっての宝さがし、自然探索したあとの、温泉とビールは最高!
 ただ自然と親しむだけでなく、植物や自然について少しでも多く学び取ることができれば、と植物に関する記述が主な会報を時々発行しています。
 いずれ、会のHPもつくりたいと思っていますが、ここでは、活動のなかで撮影した大好きな植物の数々を紹介します。

私が選んだ北海道・春のFavorite Flowerおきにいり ベスト3 !!

エゾエンゴサク:ケシ科 花期:4‐5月
 

アップで載せたい気もしましたが、それは図鑑でも見られるので…。この花が群生しているのを初めて見た時は、思わず驚嘆の声をあげていました。関東にはこの夢見るような水色のエンゴサクはありません(主にくすんだピンクです)。
山野には普通にある、と言う人もいて、びっくりしました。下のカタクリとニリンソウと混じりあって群生している場所もあり、言葉を失うぐらい美しい春のお花畑です。しかも、この3つ全部、食べられます。
根を欠かないように採ったこれらを食すると、やさしい春の風が心に流れこむような気がしました。

この写真は2000年5月中旬のもの。デジカメを初めて持参したときで、群生を効果的に撮るすべがよくわかっていませんでした。

明るい林の中にひそやかに群れ咲いているエゾノエンゴサクは葉の色も柔かい緑色、倒木の株元に生えた苔も伸び始めた蕗の丸い葉っぱも、幻想的な風景の一端を担っていました。この蒼い花が春の野草の中で一番好きです。

街中で群生する様子を見たければ、北大植物園の周囲、北側に面した歩道から柵越しに見られます。
 


 
カタクリ:ユリ科  花期 4‐5月
ニリンソウ:キンポウゲ科  花期 4‐5月
 

カタクリの花が花期が終わりごろであったのと、小雨でしおれてしまっているのが惜しいのですが、ニリンソウとの群生は林のどこまで行っても続いており、北海道の山野の豊かさを目の当たりにしました。足場がよくないところで、これら草花のじゅうたんに、よけつつも泣く泣く踏み入れ写真を撮っていますが、本州ならこれだけのお花畑であれば、保護区にされて立ち入りが制限されるのではないかと思います。                                           
“Spring Ephemeral 春のはかなさ ” と称される、咲いたらすぐに休眠してしまう、この透けるようなカタクリの花は葉茎ともにほんのり甘く、おつゆに入れても見た目だけで満たされてしまいます。                              ニリンソウの可憐な白が、萌え出す緑に映えます。3種束ねてブーケをつくりたくなるような、美しい花々です。                         


 

あともう一つだけ、この花も…



 
 
 
 

エゾノリュウキンカ:キンポウゲ科  花期  4‐6月
ヤチブキ(谷地蕗)の通称で道民にはおなじみの山野草。食用でよく採取されていますが、分類はフキ(キク科)ではありません。茎が太くて少し苦味があって蕗のようではありますが…。キンポウゲ科の花特有のButtercup*の艶のある花弁内側が、残雪残る沢沿いでキレイです。(ちなみにまわりの白い花はあまりにも有名なミズバショウ。)
このヤチブキも本州北部までしか見られない花なので、こちらへ来て初めて見た花です。ずいぶん大きくなるキンポウゲ科の花だなあ、とびっくりしたのを覚えています。北大構内にも生えていました。
*Buttercupは英語でキンポウゲ(黄花)の総称。

(撮影データ: 2000年5月18日 札幌近郊 Y地区)