お友達へのメールレター   東京近郊、海外の友人に送っている不定期メールレターです。
 


2000年10月4日

題名:札幌から秋便り

ご無沙汰しております。みなさまにはお元気でお過ごしでしょうか?
昨今のIT関連の普及にはめざましく、多様な情報が簡単に流れる時代になりま
した。今回より、みなさまの宛先アドレスBcc扱いにて送付しますね。悪用なん
てされないと思いますが念のため。

早いもので札幌3度目の冬がじわりじわりと近づいてきました。巡る季節を止め
られず、近頃では加速がつき、幼い頃から思い描き来た2000年の誕生日も過
ぎ、四捨五入すると40の年齢になり、と言う具合の心境は皆様も多かれ少なか
れ感じているのでは?(もっと若い人ゴメン!)

札幌は今年は湿度が多い夏で庭から収穫したドライフラワーの仕上がりがよく
ありません。この頃は秋雨ばかりで、キノコ採りにはよさそうですが、全盛期
70個近く咲いていたヒマワリの後処理とか、さんざん収穫した畑の片付けとか
が手をつけられずにいます。この夏悲願のぬかづけをとうとう始めて、自分で
収穫した野菜を漬け、感動的な美味しさに毎日てんこもりに食べてました。

それにも増して、身辺(仕事で)忙しく、SOHOの契約社員の仕事で今月はなん
と、一週間の出張を2回も、しかも苦手な南方面、会議で沖縄とタイはチェンマ
イに行かなくてはなりません。(暑いの嫌いなので。遊びじゃないし。)

何の因果で好んで涼しい土地にきた私が、と行きたくない気持ちでちょっと先
月末まで暗かったのですが、10月に入ったらとりあえず開き直りました。契約
社員の身分なのに行かせてもらえるのは、ありがたいことなんでしょうね。
きっと客観的に見ると。しかしながら、このごろの私は「自分の場所」に居た
いと以前にも増して思っています。男性にはわかりづらいかも、と思うのです
が仕事で家を空けることに、ものすごい罪悪感があり、出発前、出発直後、
帰ってきた直後にとってもしんどいのです。平日だんなが東京にいるので、留
守番が自分の仕事の一部になっているのも理由の一つ、飼い猫がいることも理
由の一つでしょうが、これは東京時代に月に2度3度と国内出張を繰り返してい
た日々も同じでした。

もちろん出張に出てしまえば、精一杯の仕事をするだけ、自分のことをすれば
いいだけ、で非常に充実した自由なワーキングライフを満喫できるのですが。
働く女性は自分を責めることからまず脱却しなきゃだめなのかもしれないとは
思うのですがね。男性諸氏、意見、反論あれば是非どうぞ。

この頃、40歳までに子供がいなかったら違うことを勉強してみようと考えてい
ることがあり、今SOHOとは別の仕事でやっている内容が関係あるのですが、そ
のステージにまで行けたら、そんなことは考えなくなっているかもなあ、と展
望したりもします。生活のためというより、人生のため、という働き方になっ
ていくのかな。人生後半、て感じ。

札幌に来て、家を構えたり、土いじりをしたり、傍目には一旦「若隠居」した
わたくしですが、あまり淡々と長く同じことを続けていくタイプではないので
また何か始めるかもしれません。そしたら、また報告しちゃうと思います。

美しいウロコ雲が見え始めた北海道は、季節の変化に富み、飽きないサイクル
で静と動が巡ってきます。一気に生い茂る初春の山菜、駆け足で来る春夏の花
の季節、夏の山でホっとしたらキノコ、リースの材料の蔓や木の実あつめ、そ
してやがて真っ白な雪に閉ざされて、次の季節は何をやってやろうか、と思案
する冬が来ます。年齢のサイクル的にも、一思案する時期なんだろうかな、と
この頃考えています。

それでは皆様もお元気で。
 



2000年7月18日

題名:涼しい札幌から暑中見舞い

前略
暑中お見舞い申し上げます。
関東の皆様は梅雨明けだそうで、いよいよ夏本番でしょうか。
こちらは昨日今日とちょっと長袖を着たくなる気温の札幌です。

すっかり在宅ワークも板についてきたかな?の今日この頃ですが、
心を癒すのはやはり、庭と畑です。(まだまだ飽きない。)

契約社員みたいなのは私だけかと思いきや、7月から旦那がついに「契約コンサ
ルタント」なるものになりまして、正社員稼業から離れた上に、週末以外は東
京で仕事、千歳船橋のマンションに寝泊りすることになりました。6月はよさこ
い出場でバタバタしていたのに、まったくをもって夫婦ともどもじっとしてい
ない、のでありました。幸い例の爆弾事件は、旦那の参加したチームの出場予
定に影響しませんでした。(大通り周辺で踊れなかったチームもあったので
す)

従って私は、平日は猫と留守番の日々、です。結婚以来ずっと作っていた朝食
と弁当づくりが無くなり、睡眠時間が増えるはず、だったのですが、元来私は
夜更かしの性分でして…。まあ相変わらず、夜なべ仕事などしております。

庭と畑は昨年からまた発展させた形で展開しています。北海道内でこの春から
創刊になった園芸愛好者向けの「花新聞」がホームページを開局したのです
が、そこの「見て見て私の庭」というコーナーにうちの「猫つき庭」が掲載さ
れています。よかったらご覧ください。小さい写真をクリックすると大写しに
なりますよ。http://www.hana-shinbun.com/

野菜は、上記の理由で普段ほとんど一人なので収穫しすぎても困るため種類を
多く、量を少なくして収穫目前です。薬をつかわないので葉ものはずいぶんモ
ンシロチョウの赤ちゃんに大判振る舞い状態ですが、ルッコラやビタミン菜、
ハツカダイコンなど間引きつつ食べています。ニラや青シソはぼうぼうに生え
てるし、カラーピーマンやフルーツトマトももうすぐ食べれます。きゅうりは
普通のを植えていますが、来年こそ黒珊瑚という品種を植えてみたいなあと
思っています。いぼいぼが細かくて、少し黒ずんだきゅうりで食感がものすご
く良いのです。

北海道には本州では見ない品種の野菜が山ほどあり、普通に店頭に並びます。
アスパラときゅうりが大好物の私はこの季節大変幸せなのですが、実はキャベ
ツなんかも奥が深くていろいろあります。でも葉ものはすぐ虫がつくので、私
みたいな、素人にはまだ手出しができません。そうでなくてもうちの庭は草花
の種類が多いために、やってくる虫の種類も多く、自然農薬として防虫作用の
ある植物を混ぜ植えしているのですが、毛虫系には太刀打ちできません。
 
もっともそれらの親虫である蝶や蛾に飛びついて羽根をひきちぎって遊んでい
る猫のれなを見ていたら、ま、作物の一部を子孫繁栄のために供出しましょ
う、という気にもなるもんです。時間があれば一匹ずつつまんでつぶすのです
が、仕事の方もこのごろ主担当のものがじりじり増えてきて庭にばかり出てい
られません。

今日今年初めてのトンボを見ました。れなはかなり興奮していましたが、す
いっと円を描いて高く逃げられました。今夏アゲハが来る前にアキアカネを見
てしまいました。今年は北海道らしい夏だとよいなあと思います。昨年はとて
も暑かった。それでも夜は25度より高いことはありませんが。今夜は20度を下
回りタオルケットだけではとうてい寒いです。

納涼に北海道にお越しの際はお知らせ下さい。
白樺の木が風にそよぐ小さい庭で待ってます。(わー乙女ちっく。)
今週末は昨年荒天で泣きを見た、「大雪山行きリベンジ」で朝4時に出発、登
山がんばってきます。

では皆様、時節柄体調に気を付けご自愛ください。
草々
 



2000年6月8日

題名:ますます”土着”化

ご無沙汰しています。
手術報告からもう4ヶ月も経過しました。元気いっぱいで仕事しつつ土をいじっ
たり、野山に出かけたりしています。

ようやく八重桜が終わった札幌は先週ライラック祭り、来週はよさこいソーラ
ン祭りと次々にイベントが展開される、観光にも絶好の季節です。
一番気持ちの良い季節だと思うのですが、来週は出張で、東京で月から金まで
すごさねばなりません。(ううう。行きたくない。こっちにいたい。)

よさこいソーラン祭りは知らない方は是非知って頂きたい、踊り手が道内を中
心に他県からも合わせて3万人以上参加するエネルギッシュな踊りの祭りで今年
とうとう、うちのだんなが出場します。地元の親子中心のチームなので賞は
狙っていませんが、それなりに一生懸命練習しています。短い初夏を燃えつき
んばかりの気合いの入った200以上もの踊り子チームが札幌市内各地を舞台に踊
りまくり、観ていると毎年ある種感動を覚えます。
東京出張から帰ったらすぐにだんなのおっかけでよさこいの応援です。

庭造りはさらに拍車がかかり、去年仕込んだ種から育てた宿根草など計画どお
りに伸びて、咲いて、面白さも佳境に入ってきました。春一番のチューリッ
プ、プリムラの赤系から転じて今は黄色と白系の花々、マーガレットの乱れ咲
き、このあと紫ばかりの庭に変化し、さらには真夏の花々の咲く庭になってい
く予定です。中にはデジカメの映像を受け取られた方もいると思いますが、猫
を庭で遊ばせては撮っています。本日は末尾に添付ファイルとして5月の画像
を付けてみます。(ファクス送信の方はすみません。)

2人暮らしで作物の消費が大変なので畑は種類を多く、個別の数は少なくいろい
ろ植え付けしています。種類を多くといえば、先日、Excelの表にリストしてみ
たら、うちに植わっている草花の種類(野菜・果物を除く)は100種類以上あり
ました。山野草、雑草でも価値のあるものも含めていろいろ集めていたらそう
なってしまった。。。

そんなに広大ではありませんが、一人で手をかけるにはいいサイズの作り甲斐
のある庭です。畑は奥に入った別の一角なのでハッキリ区別できるし日当たり
も適度な変化があり多様なアレンジができます。果樹類だけは庭に植えてお
り、今年はサクランボ2本のうち1本を移植し、新しくプルーンの苗木を植えま
した。イチゴは今年配置変えで収穫増をねらっています。多分、今ここで私が
この世にいなくなったら、頭の中の庭畑多年計画は形に残らないんだなあ、と
思いつつ草花の好きなひとが見れば、植物の配置で意図したことはわかってく
れるかも?と思ったりします。

仕事の方はPHSを支給してもらい庭のテーブルで仕事をすることもできるように
なりました(つまりワイヤレス)。少額ですが契約社員なのにボーナスも年2
回もらえることに。ラッキー。薬局の方もできる週には週3回入ることにな
り、ますます忙しいです。1日24時間ではとても足りない、と思う今日この
頃。

山の会は発足2年目で活動活発化目指し夏山の計画に余念がありません。夕張
や大雪、羊蹄など次々踏破しようという意気込みです。カタクリとエンゴサク
の咲き乱れる林間での山菜なべは美味しかった。先週はフキ採りに行き、50
センチの漬物樽2個分収穫しました。歯ざわり、香り、美味しいのなんの。次
はタケノコ(細いやつしか道内にはありません)です。これが採りたてをオブ
ンで焼くとホクホクで甘くて美味なのだそうで。楽しみです。メンバーは熟年
の男性が中心なのでさほどハードではなく週末のリフレッシュには最高で
す。ほとんどの方がそば打ちの会にも入っているので、打ちたてのソバ
などもご馳走して頂いています。

あとこちらで足りないなあと思っているのは音楽友達です。若干名クラシック
コンサートにいっしょに行ける方もいますが、好みのジャンルが広すぎる私は
全部をカバーする方に巡り会えていません。何もかもは欲張りすぎなので、が
まんするとして、必ずしも好みのだぶっていないだんなに時々いっしょに行っ
てもらいよしとするか、と思っています。

それにしても、ますます東京には戻れないという気持ちが深くなる一方です。
こちらでやりたいことが多すぎて、それでも時々くたびれてしまうこともあり
ますが、やりたいことのために働いて疲れるのなら、ずっと続けていける。生
活に追われるヨロコビというか。

ある意味、年に何回かの東京出張が、自分の選んだ暮らしを肯定してくれるよ
うに思います。東京では、やりたいことはずっと棚の中にしまいっぱなしで、
時間が空いても働いた疲れを癒すためにしか使うことができなかったから。
少しずついろんなことをしたい私には今のスタイルが最適のように思います。

SOHOとしてはまずまずなのが買われて、在宅ワーク志願者向けのミニコミ誌に
私の記事が載りました。普段の生活から「正体不明」に思われることが多いの
で、自分が何者かを説明するのに、この1000字程度の記事はとても役に立って
います。

札幌3年目、猫のれなもそろそろ1歳(人間で言うと20歳ぐらいらしい)。
月日は流れ、季節は巡り、そうやって道民になっていくんだなあ。

皆様も素敵な毎日を過ごされますよう。。。